所定疾患施設療養費(Ⅱ)
介護報酬改定によって、介護老人保健施設において入所者の医療ニーズに適切に対応する観点から、所定の疾患を発症した場合における施設での医療について、以下の要件を満たした場合に評価されることになりました。
厚生労働省大臣が定める基準に基づき、所定疾患施設療養費の算定状況を公表します。
条件
- 所定疾患施設療養費(II)については、肺炎等により治療を必要とする状態となった入所者に対し、治療管理として投薬、検査、注射。処置等が行われた場合に、1回に連続する10日を限度とし、月1回に限り算定するものであるので、1月に連続しない1日を10回算定することは認められないものであること。
- 所定疾患施設療養費(Ⅱ)と緊急時施設療養費は同時に算定することはできないこと。
- 所定疾患施設療養費(Ⅱ)の対象となる入所者の状態は次のとおりであること。
イ 肺炎
口 尿路感染症
ハ 帯状疱疹
二 蜂窩織炎
ホ 慢性心不全の増悪
- 肺炎及び尿路感染症については、検査を実施した場合のみ算定できるものであること。
- 慢性心不全の増悪については、原則として注射又は酸素投与等の処置を実施した場合のみ算定できるものとし、常用する内服薬を調整するのみの場合では算定できないこと。
- 算定する場合にあっては、診断名及び診断に至った根拠、診断を行った日、実施した投薬、検査、注射、処置の内容等を診療録に記載しておくこと。なお、近隣の医療機関と連携した場合であっても、同様に、医療機関で行われた検査、処置等の実施内容について情報提供を受け、当該内容を診療録に記載しておくこと。
また、抗菌薬の使用に当たっては、薬剤耐性菌にも配慮するとともに、肺炎。尿路感染症及び帯状疱疹の検査・診断・治療に関するガイドライン等を参考にすること。
- 当該加算の算定開始後は、治療の実施状況について公表することとする。公表に当たっては、介護サービス情報の公表制度を活用する等により、前年度の当該加算の算定状況を報告すること。
- 当該介護保健施設サービスを行う介護老人保健施設の医師が感染症対策に関する内容(肺炎、尿路感染症,帯状疱疹及び蜂窩織炎に関する標準的な検査・診断・治療等及び抗菌薬等の適正使用、薬剤耐性菌)を含む研修を受講していること。ただし、感染症対策に関する十分な経験を有する医師については、感染症対策に関する研修を受講した者とみなす。