病院長からのご挨拶
2022年(令和4年)4月1日より病院長を拝命している梶本和宏(かじもと かずひろ)と申します。
赤十字は、アンリー・デュナン(スイス人:第一回ノーベル平和賞受賞者)が提唱した 「人の命を尊重し、苦しみの中にいる者は、敵味方の区別なく救う」ことを目的とし、 世界192の国と地域に広がる赤十字社・赤新月社のネットワークを生かして活動する組織です。 日本赤十字社はそのうちの一社であり、国内外における災害救護をはじめとし、苦しむ人を救うために幅広い分野で活動しています。病院組織としては現在全国に大小91病院を展開し、高度急性期医療から地域の慢性期の医療までそれぞれの地域に必要とされる医療を提供しています。
多可赤十字病院は昭和20年に柏原赤十字病院の分院として設立され、昭和23年中町赤十字病院として独立、 平成22年より多可赤十字病院と名称を変え現在に至っています。 本院の医療圏の中心となる多可町は人口18,922人(2024年3月)、65才以上の高齢化率は40.8%(2024年2月)で、 全国平均の29.0%を大きく超える高齢化率で、まさに日本の将来の縮図と言える地域です。 厚生労働省は2025年にピークを迎える高齢者の増加に対し、地域包括ケアシステムを中心に様々な政策を進めつつあります。
多可赤十字病院は常に国の政策の一歩先を読み、高齢化に対して早くから取り組み、地域完結型の医療の完成を目指して来ました。 昭和63年には全国最初の老人保健施設を創設、さらに訪問看護ステーション、居宅介護支援事業所、在宅介護支援センター、 地域リハ・ケアセンターでの通所リハビリ、はつらつ健康事業などを展開、令和4年(2022年)2月には介護医療院を開設し、地域の開業医や診療所の先生方とも力を合わせて地域完結型医療システムを発展させてきました。
今後も高齢者に対する医療だけでなく、急性期一般病棟で急性期や亜急性疾患治療を、 地域包括ケア病棟で急性期治療後のリハビリテーションや退院支援を行い、当院介護老人保健施設および介護医療院とも連携して、在宅や施設へ社会復帰して頂けるように努めてまいります。当院のリハビリテーションスタッフは人員も技量も充実しており、当院の強みでもあります。 さらに終末期の患者様には患者様の尊厳を守り、人生の終末期を穏やかに、有意義に過ごして頂くようお手伝いをさせていただきます。
また地域の皆様が病気にならないよう、健康診断や人間ドックなどの予防医学事業にも力を入れ、長生きはもちろん、元気で健康寿命を延ばしていただけるようお手伝い致します。
残念ながら、現在病院の経営は他の地域の病院と同様に、医師・看護師不足と変革する医療行政の中で、厳しい状況が続いています。高度な急性期治療など当院で対応できない場合もありますが、その場合は近隣の高度急性期病院と連携し対応して参ります。
当院も日本赤十字社の一員として、能登半島地震の際にも救護班を派遣し、災害現場での活動を行いました。また次の時代の地域の医療を背負っていく有能な医師、看護師などの医療人を育成することも当院の重要な使命と考えています。
地域の皆様の健康をお守りするために、多可赤十字病院を魅力的な病院としてさらに発展させ、この地になくてはならない病院となるべく、職員一同とともに努力する所存です。
地域の皆様のご協力なくしては当院の役割を果たすことができません。今後ともご支援ご協力をよろしくお願い申し上げます。
2024(令和6)年 4 月 1 日
病院長 梶本 和宏
病院長紹介
梶本 和宏
かじもと かずひろ- 【資格】
博士(医学)(岡山大学)
岡山大学元臨床教授
日本内科学会 認定内科医、総合内科専門医、指導医、近畿支部功労会員
日本プライマリ・ケア連合学会 認定医、指導医、代議員
日本呼吸器学会 専門医、指導医
日本アレルギー学会 専門医、指導医
日本消化器病学会 専門医
日本老年医学会 専門医、指導医、代議員
日本禁煙学会 禁煙専門指導者
麻酔科標榜医
日本専門医機構 総合診療専門研修特任指導医
日本病院総合診療医学会 病院総合診療特任指導医 等
【略歴】
1984年 岡山大学医学部卒業
1984年 神戸市立中央市民病院研修医
1986年 岡山大学第二内科(現血液腫瘍呼吸器アレルギー内科)入局
1986年 住友別子病院内科医員(愛媛県)
1987年 土庄町立中央病院内科医員(香川県)
1989年 岡山大学第二内科医員、研究生
1992年 岡山大学附属病院三朝分院内科文部教官助手を経て同講師
1995年 神戸赤十字病院内科副部長、呼吸器内科部長を経て内科部長
2021年 多可赤十字病院副院長兼内科総合診療科部長
2022年 多可赤十字病院院長兼内科総合診療科部長
2024年 多可赤十字病院 院長兼内科総合診療科第一部長
日本赤十字社病院長連盟イクボス宣言
私たち赤十字病院グループの院長はスタッフの声に耳を傾け、継続的にキャリアを積んでいける 多様性ある職域環境を整備するようワーク・ライフ・マネジメントに努力します。
※イクボスとは、『職場で共に働く部下・スタッフのワークライフバランス(仕事と生活の両立)を考え、 その人のキャリアと人生を応援しながら、組織も結果を出しつつ、自らの仕事と私生活を楽しむことができる上司のこと』と定義されている